┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ┃松が丘助産院メールマガジン Vol.52 (2018/09/12) ┃発行者:松が丘助産院 宗 祥子 ┃https://matsugaoka-birth.com/ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 皆さまこんにちは、涼しくなって来ましたね! 配信担当のくわばらです。 今回は、院長よりボリューム満点でお伝えいたします。 その前にどうしてもご覧頂きたい告知があります。 ▽ イベント告知─────────── 9/21開催 「こそだてが楽しくなるママのためのボディケア」 東京都助産師会こそだて応援企画です。 妊娠中、子育て中に腰や肩、赤ちゃんを抱く腕が痛くなる方が とても多いのですが、ちょっとした身体の動かし方を学ぶことで、 身体がずいぶんと楽になります。 中野の周辺にお住まいの方に是非お勧めします。 おひとりでの参加も歓迎です。 妊娠中から赤ちゃん連れのお母さん、子育て支援者の方 是非ご参加ください。 ○パンフレット(pdf) https://goo.gl/Ue4mcw 日 時:2018年9月21日(金)     14時00分〜16時00分 場 所:中野ゼロホール 学習室 1 参加費:会員 1,000円     非会員 3,000円     ※ 当日会員になり、会員価格で参加することも可能です。 申込み:下記申込みサイトにてお願いします     https://coubic.com/jmat/163925 ───────────────────△ ┼─ メニュー ──────────────────── │@ 8月、9月の松が丘助産院 │A ケニア訪問(妊産婦支援活動) │B イベントのお知らせ ┼─────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ @ 8月、9月の松が丘助産院 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 直接母乳が飲めると、育児はずいぶん楽になる 助産院は、お産後のお母さんたちが産後ケア入院、 デイケアでよく利用していただきにぎわっています。 私達助産師が、心掛けているのは、 赤ちゃんに母乳を上げようと思っているおかあさんに、 赤ちゃんが、直接飲めるようになるお手伝いをいたします。 多くのお母さん方は、 母乳が出るのならば母乳で育てたいと感じていらっしゃいます。 また、赤ちゃんが生まれたら、問題なく母乳が出て赤ちゃんが 吸ってくれるとおもっているお母さんもいらっしゃいます。 しかし、意外とこれが難しく、赤ちゃんが眠りがちの子もいれば、 乳首の形が、哺乳瓶の乳首と違うために、 なかなか思うように吸ってくれないこともあります。 またおっぱいが張っているのに、 うまく赤ちゃんが吸い付けないこともあります。 多くのお母さん方の乳首は、必ずしも哺乳瓶の乳首の様に 吸いやすいわけではありません。 とても固い方、扁平な方、陥没している方、やや大きすぎる方、 など人それぞれです。 お産みになった病院にもよりますが、 最初にミルクを積極的にあげる病院もあります。 産後の入院中、4、5日ミルク中心で過ごすと、 なかなか直接おっぱいを吸ってくれずにお困りになっている お母さん方が、よくあります。 そうすると、一応直接母乳を上げることを試し、 次に搾乳して哺乳瓶にいれた母乳を上げて、 それでも足りないので次にミルクを上げる。 これを1日に8回行うと、 それだけでお母さんはへとへとになります。 しかし多くの場合、私たち助産師が何回かお手伝いすることで、 直接吸ってくれるようになることが多いのです。 そうしてせめて、直接吸ってもらうことと、 ミルクを上げることの2つに絞るようお話しします。 直接赤ちゃんが吸ってくれることが出来るようになると、 自然と母乳が湧く量も増えてくるのです。 この練習は、赤ちゃんが生まれて早ければ早いほど成功します。 もし、母乳が出るのに直接吸ってくれないと お悩みの方がありましたら、できれば1か月以内に、 是非助産院の産後ケアをご利用になるようお勧めください。 >当院の産後ケア https://matsugaoka-birth.com/hospitalization/ 文責 院長 宗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A ケニア訪問(妊産婦支援活動) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 院長の宗は8月末にケニアを訪問してきました。 空港にて 9月2日帰国途上にかきました。 旅の目的とケニアの状況 ─────────────────△ 今回の旅の目的は長年ケニアで保健衛生の仕事に携わっていた、 Dr.杉下ご夫妻からアフリカのお産の状況を改善する事に 力を貸して欲しいと、言われていた事と、 私自身もアフリカの方々から学びたい気持ちが重なり、 今回の訪問になりました。 ケニアは、助産師の教育はあるのですが、法整備されていないこと、 数が非常に少ない事から、都市から離れた地域では TBA(伝統的産婆、地域でずっとお産をお手伝いしていた方々) によるお産が、好まれています。 なかなか医療にアクセス出来ない為、 どうしても妊産婦死亡率や新生児死亡率が下がり難いそうです。 医療者は怖いイメージがあり、実際に病院から距離が離れていて、 あるいは交通手段がない為に医療施設にアクセスするのが 難しいのもありますが、医療者が怖い、 管理的ということもあるようです。 TBAはとても優しく、出産の時にずっと付き添ってくれるそうです。 産婦は医療施設に行くよりも、 地域で長年お産のお世話をしてきたTBA(伝統的産婆)を好むそうです。 そんな中、政府はコミュニティミドワイフ (助産師のダイレクトエントリーだが、看護師の資格は無い、 日本でいうと准看護師扱い)の教育を始めたところです。 今回、ケニア支援に長い杉下ご夫妻が、保健省に挨拶に行き、 そこに日本の助産院をしていて、助産師会の理事もしている、 宗と産婦人科医の竹内正人先生が同行しました。 そして助産師教育の中に、医療教育と共に、 継続ケアの概念を取り入れ、妊産婦さんに優しく寄り添う教育が 必要である事をお話しさせて頂きました。 その結果、まさに今、コミュニティミドワイフの教育体制を 整えているところであり、世界銀行からも予算がついている。 とどんどん話が繋がり、次の日は政府の高官から話が聞きたいと、 呼び出されました。 助産師会のトップとも話したり、杉下ご夫妻が支援している助産院にも 訪問することができました。 ケニアでは助産師が活躍することが難しい ─────────────────△ ケニアでは、きちんと教育された助産師がいるにもかかわらず、 法整備がなされていない為お産のお世話をしてもなかなか、 お金が入る仕組みがありません。 素晴らしい助産院を運営している、スラム地区にある フレモbirth centerを訪ね、 また安全な地域で助産院をしているeve’s mamaのルーシーさんからも お話しを聞くことができました。 スラム街にあるフレモbirth Centerは産婦さんから わずかなお金をもらうだけで、経営しています。 国から出産手当金が支給されることになっていますが、 実際には入金されていなとのことでした。 経営は国内外からの寄付によるところが多いとのことでした。 スラム街にあっても素晴らしい理念で経営されていました。 また高所得層をターゲットにしているルーシーさんが 経営するeve’s mamaという助産院は通常のお産よりも 高い値段設定ですが、ナイロビの物価が日本とさほど変わらない のに、やっと12万円程度の金額だそうです。 しかし、ルーシーさんはきちんと教育された助産師が、 継続ケアをして寄り添ってお産をすることで、 母と子の絆がしっかりでき、出産を契機に女性が人生を 自信を持って歩めるようになる。 そのことを社会に広めたい、ケニアだけではなく、 周辺諸国にもこの考え方と方法を広めたいと、 熱く語ってくれました。 また助産師会のトップの方たちとも話しましたが、 助産師が法的に認められていない事もあり、 まだ発足してから2年だそうです。 しかし、コミュニティミドワイフの養成の中身を どうすれば良いか模索しています。 継続ケアの視点を持った教育の必要性を語り合いました。 この点は引き続き少しでもお手伝いしたいと考えています。 ケニアから学ぶ点 ─────────────────△ しかし、ケニアから学ぶ事も沢山あります。 ケニアは子供たちを地域のなかで育てるために、 孤独なお母さんはいない様子です。 また望まない妊娠という概念も少ないように感じました。 婚姻制度や戸籍の制度がしっかりできていない地域もあり、 子供の父親が誰かは子供の顔を見て、 父親に似ているからと決めるそうです。 しかしとても若年の妊娠もあり、男女ともに性教育の 必要性も非常に高いとのことでした。 地域の中で子育てするのが当たり前ですので、 日本のような産後うつに悩む人の話は聞きません。 地域の人々みんなで子育てをする様子です。 またケニアの助産師達は日本の助産師と比べて、 薬を使ったり、会陰切開や、吸引分娩すらできるのです。 (多くの国の助産師はできます、しかし日本の助産師が医療行為に 制限があるからこそ本当の意味での自然出産が保たれているのですが、) また逆子の経腟分娩はすぐれた数少ない助産師は 技術があれば行うことが可能です。 その助産師達は医師よりも経験があり逆子を 自然出産させることが出来るそうです。 しかし日本の助産師は医療介入が出来ない点が、 ある意味産婦さんの持つべき力を最大限に引き出すことが 出来るのですが、他の国の助産師の技術からも学ぶべき点が 非常に多いと感じました。 今後の支援は ─────────────────△ しかし継続ケアの教育や寄り添うことの大切さを学ぶ カリキュラムは、ケニアにはありません。 日本の助産師教育では必ず助産院で産婦に寄り添うことの 大切さを学びます。 この産婦に寄り添うことで、きめ細かな観察ができ、 異常を早めに発見することが出来きるのです。 この点はケニア政府の保健省の方々も非常に共感してくださいました。 そういった点の研修の交換が出来る仕組みを作りたいと、 先生方と話し合っており、具体的に受け入れを検討しています。 また杉下先生は、ケニアの行政の改革にも力を発揮できる 立場にあり、助産師を国が法的に位置づけるための活動にも 力を貸していきたいと考えていらっしゃいます。 ケニアから学ぶとともに、日本から少しでも助産師教育の お手伝いができればと感じさせられました。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ B イベントのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽───────────────── 1)9/29『産後ドゥーラ養成講座・プレ講座』開催のお知らせ ─────────────────△ こそだてが一段落したお母さんは是非、 これからお母さんになる方々をサポートする側の 産後ドゥーラになって下さい。 今までしてきた家事育児が、キャリアになり、 ご自分のペースで仕事ができます。 子育て中のお母さん方もたくさん産後ドゥーラとして 活躍されています。 毎回、ご好評をいただいております 「産後ドゥーラ養成講座・プレ講座」。 「産後ドゥーラ養成講座」とは、 出産前後の女性に寄り添い、子育てが軌道に乗るまでの期間、 日常生活のサポートをする「産後ドゥーラ」を養成する講座です。 これまでに「産後ドゥーラ養成講座」を修了された方は全国に345名。 赤ちゃんを産んだ女性が大切にされる社会になるよう、 全国各地で「認定産後ドゥーラ」が活躍しています。 これまでのご自身の経験や資格、特技を生かして、 あなたの街の産後ケアの充実に向けて、 一歩を踏み出してみませんか? >9/29(土)『産後ドゥーラ養成講座・プレ講座』開催 https://www.doulajapan.com/koza-info/6172/ -------------------------------------- 配信停止は下記フォームより、 「メルマガ解除」を選んで送信して下さい。 https://matsugaoka-birth.com/mailmagazine/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 松が丘助産院 院長 宗祥子 matsugaoka-j@par.odn.ne.jp https://matsugaoka-birth.com/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■