┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ┃松が丘助産院メールマガジン Vol.55 (2019/07/08) ┃発行者:松が丘助産院 宗 祥子 ┃https://matsugaoka-birth.com/ ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 皆様、7月になってもジメジメした日が続いていますが、 お忙しくお過ごしのことと存じます。 毎月お届けしたいとお思いながら、しばらく、メルマガをお届けする期間が 空いてしまって申し訳ありません。 松が丘助産院では、どなたでも参加していただける催し物もいくつかございます。 イベントのお知らせもしていますので、皆様のお越しをお待ちしています。 また当院では、中野区の産後ケア事業を実施しています。 出産後4か月までの産後ケア入院や、産後6か月まで利用できるデイケアのご利用が、 中野区でカンガループランを作成している方は低額でご利用可能です。 また豊島区や渋谷区の方も低額でご利用になれます。 産後直後の方がお近くにいらっしゃったら、是非、知らせてあげてください。 助産院でのケアを受けると、子育ての不安が解消すると多くの方から好評を得ています。 地域を問わず双子の方の産後ケアも、低額で実施しています。 お知り合いの方がいらっしゃいましたらこちらもご案内ください。 今回お届けする記事は、2つとも初めてメルマガを担当する助産師が、 書いてくれました。 先月の助産院の様子をお届けします。 ┼─ メニュー ──────────────────── │@ 6月のお産 │A スイスの助産師さんとの関わりを通じて │B 松が丘助産院コンサートのお知らせ │C イベントのお知らせ ┼─────────────────────────── ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ @ 6月のお産 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今月は、先月のお産について助産師 安田が担当致します。 去年4月から松が丘で勤務しています。初めてメルマガを書きます。 Mさんの自宅出産をサポート ─────────────────△ 6月は出産予定者が何名かいらっしゃいました。 松が丘には、宗 院長が語学堪能なこともあり、 時々外国人の方がお産希望でいらっしゃることがあります。 アメリカ人で日本に3月に引っ越してきたMさん方が、 自宅出産を希望されて松が丘助産院を選んでくださいました。 今回は4人目で、上の子2人はアメリカの自宅で水中出産したとのことです。 周知のようにアメリカでは無痛分娩の割合が高いです。 その中で、病院ではなく、家族とともに赤ちゃんを自然の流れで迎えたいという Mさんを是非私達もサポートしたいと、助産師全員で体制を組みました。 6月のある土曜日、破水をしたという連絡をいただき、 実習できている助産学生と、スイスの助産師ローラと向かいました。 院長は別の方のお産に付き添っており、一緒に出発できませんでした。 付いたときには既にご出産されていました。 4人目のお産は勢いが良い、日本の助産師の優れたサポート ─────────────────△ 破水が起爆剤になったようで、着いたときには、声も少し唸り気味で、 もう産まれそうという様子。 横向きで痛そうにしていたので、体を起こしてもらいました。 実は今回も水中出産をご希望されていて、 アメリカで使っていたマイプールも用意されていました。 しかし、進行が急だったのもあり、歩くのは無理ということで、 そのままお産の体勢をとることになりました。 陣痛がうまく波にのると、とても勢いよく進むことがあります。 赤ちゃんを産む姿勢もそれを助長することもあります。立ち膝は会陰の広がり的にも、 重力の力を借りることができる点でも赤ちゃんの頭が出やすいと言われています。 今回のMさんの場合、立ち膝になりましたが、 腰をあげたい感覚もあったのか四つん這いがしっくりきたようで、 その姿勢になりました。 四つん這いも骨盤が広がりやすく、しかし立ち膝ほど重力の力を借りないので、 お産が早いことの多い経産婦さんには私はいい姿勢かなと思っています。 上手にいきんで、そのあとはリラックスして呼吸して、 を繰り返して、少しずつ頭が出て(勢いよく出てしまうと、 会陰に負荷がかかりすぎて傷をつくってしまうことがあります)、 赤ちゃんが生まれました。 もちろんおしものお傷もありませんでした。 このようなサポートは海外では大変少ないのです。 待っていたら赤ちゃんが自分で出てくるような場合でも、 欧米では最後はとにかく強く息ませます。 ゆっくりとサポートすることで会陰が切れないのです。 お産後ママと赤ちゃんはずっと一緒に ─────────────────△ 赤ちゃんが出た後、上向きに寝ていただいたら、 Mさんは慣れた手つきで赤ちゃんを抱っこしていて、 赤ちゃんの方も本当に穏やかにママにくっついていました。 私達がしばらく、周りを整えていたら、赤ちゃんの方から、 ママのおっぱいを吸ってきていました。 生後1-2時間は赤ちゃんは覚醒期にあり、 自分からママのおっぱいをさがします。 この時に、赤ちゃんはママの匂いを覚えたり、 ママの肌の常在菌に触れることで免疫力もつきます。 ママと赤ちゃんの触れ合いはいいことばかり、 ですが、それは出産が順調に経過するということが大切です。 お体に負担の少ない出産ができることで、 産後のママは赤ちゃんに触れたいという気持ちが自然に湧くため、 すぐに抱いたり授乳ができるのだと思います。 生活の中でのお産 ─────────────────△ 生まれてからご主人が上の子たちに連絡したようで、みんなやってきて、 赤ちゃんを見ていました。 自宅出産を経験すると、お産が生活に上手自然に溶け込んでいるなと、強く感じました。 学生とローラもMさんの出産の素晴らしい出産に立ち会えて、 私も含めて今後に活かしていけるのではないかと思います。 Mさん本当におめでとうございます。 追記 (院長 宗) ─────────────────△ 産前産後Mさんの自宅を訪問して感じたことがいくつかあります。 彼女は妊娠中に東京に来て、家を整え(2回の引っ越しと家具の調整など、) 3人のお子さんの世話をしながら妊娠生活を過ごされました。 住居は都心のとても便利なところで、夫の会社が徒歩5分のところでした。 4人目を異国で出産するためには夫のサポートは欠かせません。 夫の会社が近いことで、上のお子さんたちのサポートを夫に頼みやすく、 また、実母もアメリカから2か月近くサポートに来てくれています。 家族のサポートが万全でした。 4人目が生まれても、産後もアメリカ人としてはしっかり休み、 家族のサポートがあることがこの自宅出産を支えているのだと感じさせられました。 また身体も心も、とても健康で頑丈だと感じました。 身長は176センチ、骨盤もとても、立派でした。 Mさんは感謝の気持ちを、夫にも、こどもにも、実母にもちゃんと言葉で伝えます。 この態度は日本人として本当に学びたいと感じました。 文責 助産師 安田 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ A スイスの助産師さんとの関わりを通じて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ スイスから助産師が研修に ─────────────────△ 松が丘助産院には、先月まで働いていた助産師スタッフの繋がりで、 スイスの助産師、ローラさんが3月末から6月中旬にかけて研修に来ていました。 彼女はスイスで助産師として働いていて、 長期の休暇を利用して研修に来ていました。 ヨーロッパでは、病院出産の割合が多く、 出産方法も無痛分娩や帝王切開が多いそうです。 そして病院出産の中でも、自然に経過をみる自然出産よりも、 医療介入が多く管理された出産が多いそうです。 しかし、少ない割合ではあるそうですが、 自然出産を望む方も一定数いるとの事でした。 特に彼女の働く病院は助産師と医師との話し合いで、 逆子や双子の自然分娩も取り扱っているとのことで、 スイスでは珍しい存在だということでした。 自然出産に立ち会って ─────────────────△ 彼女が来日して、初めて松が丘助産院で立ち会った出産は、 初産婦さんでとても静かな雰囲気の出産でした。 深い呼吸をしながら、上手に体の力を抜くことが出来ていたので、 赤ちゃんも自然に下りてきてくれました。 産婦さんは頭が出るときに、自然ないきみが2〜3回入り、 無事に元気な立派な赤ちゃんをご出産されました。 彼女は「こんなに静かな出産は初めて」と感動している様子でした。 産婦さんが正に“自分自身の力で産む”ということが 象徴された出産であったのだと思います。 日本ではお産婆さんの時代から続く、傍に寄り添って、 産婦さんの力を最大限発揮できるようにサポートすることが 助産師のあるべき姿だとされています。 無痛分娩が9割を超える欧米では助産師の役割が自然出産に 寄り添う役割と異なっている面がありますが、 自然出産に寄り添う助産師の姿は、 世界共通の使命であると感じた様子でした。 その後、アメリカ人の自宅出産にも立ち会うことが出来、 自然出産が少ないスイスでは、 なかなか出来ない体験だったと話していました。 日々の健診から ─────────────────△ 日々の妊婦健診では、お腹の状態を診ると共に、足の状態をみること、 生活リズムや服装、精神的な面もみること、等を一緒に行うと 「私も話をしながら色々なことをみたいけど、病院では難しいのが悔しい気持ち」 と話していました。 通常の妊婦健診では、お腹の赤ちゃんの発育や母親の血圧・体重・尿検査等、 数値化されている情報には、医療者の目は届きやすいけれども、その背景にある、 原因となる生活習慣や精神面にアプローチすることが 難しい現実があるのだと話していました。 出産前のクラスで、同じ月の予定日の妊婦さんが参加するエンジョイバースでは、 出産の寸劇や呼吸法の練習を一緒に行ったり、 出産に向けての気持ちを自分の言葉で表現したりしました。 安産という同じ目標に向かっていることを共有することで、 言葉は十分に通じ合えなくても、通じ合うものがあることを感じた様子です。 助産師や学生たちにも大きな刺激を ─────────────────△ 彼女は、日本を立った後は、バリ、ニュージーランド、オーストラリア、ケニアに 研修に行く予定だそうです。 自らのネットワークで研修先を調整していました。 「はじめは、日本に来ることしか決まっていなかったけど、 日本に来てから広がった繋がりで、他の国にも行けることになって嬉しい」 と話していました。 自ら世界を切り開いていくことの素晴らしさを彼女に教えられました。 助産師はもちろん、研修の学生たちも一生懸命英語を使い、スイスの様子を聞いたり、 日常の話をしたりして、松が丘助産院にとってもとても刺激的な時期になりました。 東京都助産師会のイベントにもいくつか参加してくれました。 同じ助産師としての仕事についている彼女から、沢山の刺激を受け、 これからもお母さんと赤ちゃんの為に自分自身のスキルを 高めていきたいと改めて感じた出会いでした。 文責 助産師 大久保有紀子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ B 松が丘助産院コンサート(マ・メールスペシャル)   のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 年2回行っている、赤ちゃんとお母さんのためのコンサートです。 美味しいお団子も用意しています。 お子さんとご一緒にたのしいひとときをお過ごしください。 ◆7月17日(水)  14:00〜16:00 ◆料金 500円(お子さまは無料) ◆出演 ・ジャンベパラドウンカ・アフリカの太鼓とお話:太田ご夫妻 ・バイオリン演奏:桑原千洋、門垣彩子 ・ピアノ演奏:清水恵子 他 ◆お申し込み 03-5343-6071お電話でどうぞ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ C イベントのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ どのクラスもお申し込みは当院まで03-5343-6071お電話でどうぞ。 ▽───────────────── 1)赤ちゃんごはんの会 ─────────────────△ ◆7月24日(水)  11:00〜13:00 ◆料金 3,500円 ※食事をご用意しますので事前支払いになります 母乳の大切さと、赤ちゃんが食べ始める時期に どんな物を食べたら良いかお話しします。 お話の後は皆で一緒に松が丘ごはんを食べましょう ▽───────────────── 2)食の会 ─────────────────△ ◆8月8日(木)  11:00〜13:00  10:30〜 ◆料金 4,500円(カップルは2人で7000円) ※食材を用意しますので料金は事前にお支払いください。 ※2回目から割り引きがあります。 松が丘助産院で勧める、妊娠中や授乳中に食べて欲しい和食を、 作り方から学んで頂きます。 調理の後は院長と一緒にごはんを食べながら、 親も子どもも健康に過ごせる食事についてお話しします。 -------------------------------------- 配信停止は下記フォームより、 「メルマガ解除」を選んで送信して下さい。 https://matsugaoka-birth.com/mailmagazine/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 松が丘助産院 院長 宗祥子 matsugaoka-j@par.odn.ne.jp https://matsugaoka-birth.com/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■